共に生まれたばかり・初心の心の精神
今から20数年前・母親の病気を機に・青森で独立する決意をしました。
1月1日元旦東京より戻り、わずか一ヶ月で出店先を決め、打ち合わせ・内装工事と慌しく4月にはスピード開業する運びとなりました。
ご存知の通り青森地方はこの時期・厳冬で寒い日々が続きます。出店に関しての当時の心情はプラス思考で、「どんな場所でも俺ならお客様を呼べる」また、「金融機関からの借り入れのない持ち出し経営を志していましたから負担が少なく企業は必ず成功する」と確信していました。だが幼少から幾度となく知っているはずの青森の厳冬を久しぶりに体験すると、身震いする一抹の不安もないわけではありませんでした。
打ち合わせで市街を奔走していると、一匹の子犬(紀州犬)がダンボールに入って歩道に捨てられていました。猛吹雪の最中、目を瞑り体を凍えているあの光景は、TVドラマのような遭遇でもありました。私自身も家族も犬が大好きでしたし、その子犬を育てる事を決め自宅へと連れて帰りました。家族みんなが喜んでくれたその犬の名前を「ナウい名前にしたらよい!・・・と父親が。そうですNOW(ナウ)と言う名前は、そのナウちゃんにと言う子犬に由来します。
「開店前の一抹の不安」や「来店される全てのお客様を家族のように」と思う私の志が、あの大雪の最中、必死で生きようとする子犬の生命と自分が重なり、いつも「あの当時の初心の心」を忘れないとの思いから、屋号にと決めました。
その子犬と自分は、共に生まれたばかり。一緒に育って歩んで行こうと。その子犬(ナウちゃん)は家族みんなに愛され18年(犬の年齢では89才くらい)の天寿を全うしました。
屋号の看板を見る度にいつも「初心の心」を思い出し、日々慢心しない心を持ち続ける様に心掛けております。その心は、後に設立したNOW ENTERTAINMENTにも精神が引き継がれております。